というわけで、今回は、実況パワフルプロ野球サクセススペシャルの話じゃなくて、サムネにもしている、時々、このブログで紹介しているクロマツテツロウ先生著「ドラフトキング」の話。
少しだけネタバレを含む、最新話からの予想考察話です。
ドラフトキングを知らない人にとってはなんのこっちゃ、の話なんだけど、今回は、マンガ大好きで、惚れたマンガに対してはのめり込んじゃう私が、かなりの不安を覚えた話だったんで。
クロマツテツロウ先生がこのブログを読むとはまったく思ってないけど、場末からの祈りってことで、今回のお話を書かせていただきます。
ちなみにドラフトキングを知らない方はこちらをどうぞ。
この漫画の内容を、何度か言ってきてますけど、大雑把に言うと架空プロ野球球団「横浜ベイゴールズ」に所属している性格性悪敏腕スカウトの主人公・郷原眼力の目を通して、基本は、球団に有力選手を入団させるまでの人間物語を描いているものでございます。
マンガ大好きの私がお勧めしたいくらい、この漫画は是非、読んでください、というくらい面白いです。
何がって、各シリーズの中心に来ているキャラクターたちの人間ドラマと、それを、サポートする郷原の尽力ぶりが。
で、ここまで、シリーズ的に(現在進行形も含めて)11人の野球人生を追って描かれていて。郷原が入団させるために奮闘した選手9人、第二人生を面倒見た戦力外選手1人、入団させたわけじゃないけど蘇らせた逸材1人の内訳になっていて、入団させようと奮闘した選手9人の内、入団させたのは6人。拒否が1人、現在進行形が2人なんだけど。
その拒否した1人も別に郷原を嫌って拒否したわけじゃなくて。本人がプロに進むことに躊躇したってのが理由で。
でもまあ、その辺りは、ドラフトキングに興味を持ったあなたが読んでください。
さて、長々と前置きをかましましたけど、今やってるシリーズは、このキャラクター「柳川大也」を入団させられるかどうかの話。
作中の野球クラブチームに所属する、例えるならイチロークラスの強肩俊足に強打を兼ね備えた、高いレベルで三拍子揃う、その中でも脚力が売りのプレイヤーなんだけど。
しかも、このキャラクターを扱ったシリーズはドラフトキング史上、最長のシリーズになっているんだけど。
なんとな~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~く、今回は獲得できずに逃がしかねない雰囲気があるなぁ、と。
郷原のライバルでもある、架空球団「大阪ホワイトタイガーズ」の敏腕スカウトであるこのキャラクター・毒島スカウトに獲られるならまだ納得できるんだけど。
でも、この作品中でどうしても好きになれないコイツに獲られそうで。
なんか生理的に嫌な奴。名前を「中溝」という、作中の架空球団「福岡ブラックホークス」のスカウトです。
今のシリーズの前のシリーズの中心に居たこの選手の時もそうだったんだけど、郷原がサポートしてきたこのキャラクターを、
まるでテメエが見出したかのように振舞っていましたからね。
んで、今回の柳川のこともそう。
この柳川の面倒を3年以上も見てきたのは郷原で、それも、野球に挫折していたのに立ち直らせてもう一度野球をやらせたのも郷原で、しかも時々、プライベートでもちゃんと気に掛けたり、助言もしたりしてきたというのに、「ただ見てるだけ」、「練習場にいるときだけ声をかけているだけ」のような、ポッと出のコソ泥野郎の中溝。
作中でも、善人の皮を被っているだけで、その本質を、菊池原を郷原と共に育ててきたベテランコーチの千葉氏に突かれて冷や汗をかいていたというのに、まだ性懲りもなく、しかも主人公に対してリスペクトの欠片もない暴言を吐くとか、マジで嫌な奴。
で、それにも増して、気に入らないのが、柳川の、選手としてのタイプを完全に見誤っているシーンが今シリーズでも何度何度もあったというのに、こんな奴に柳川を預けようものなら、柳川が潰れかねない(現に前シリーズの菊池原は、この中溝が育成で指名しておきながら2年で潰れかけた)というのに。
それなのに、ここまでの展開からすると、どうも、今回は主人公が負けそうで怖い。
だから、今回、その心情を綴ることにしたんだけど。
これまでもいくつか伏線と思われる展開があったんだけど、6/7の最新話とその前の話で、さらに、伏線を張りまくってる気がしましたからねぇ...🙄
つーわけで、心配になった前回と今回の伏線をご紹介。
(伏線その1)
これは前回のお話で、郷原の後輩スカウトととあるノンプロチームの監督との会話。
作中ではベイゴールズ、ホワイトタイガーズ、ブラックホークスの三つ巴になっていたというのに、この監督も後輩スカウトも「毒島スカウト」だけを気にして、中溝がアウトオブ眼中。
少しも気に掛けないとか、こういう物語の展開だと、逆に「除外された第三者の存在」が大きくなってしまうんです。
(伏線その2)
これは前回のお話のラストシーン。
柳川が所属するチームの監督さんなんだけど、郷原に「よろしく頼みます」と言ってますが、「まだ入団は決定していません」。
もっと言えば、競合で2球団あるのに、まるで獲得が決まったような展開。
これも、よく言う「死亡フラグ」と同じで、幾多の物語中で使われてきた「未来の話はタブー」というのをやらかしているように見えます。
(伏線その3)
これは最新話での、ベイゴールズのドラフト順位決めの会議。
その中で後輩スカウト「神木くん」には今回、久しぶりに推している「大卒社会人捕手」が居まして、彼は「2巡目」で推したのですが。会議で「3巡目」と決まりました。
ここには2つ伏線っぽいものがあるような気がして、クロマツテツロウ先生は野球について詳しく、まさか古田敦也という「大卒社会人捕手」のドラ1を知らないはずもなく、しかも、当初、神木くんは1巡目も辞さない構えの演説だったのに、ちょっとだけ日和って2巡目推しにしたこと。
それによって、展開的に自然に2巡目ではなく、3巡目に出来たこと。
つまり、この瞬間。神木くん激推しの選手は3巡目まで残っている状況で、中溝のブラックホークスは柳川を3巡目で指名する、という展開が確定したと思われます。
で、この3巡目というのが曲者で、実は、単行本3巻で、毒島スカウトのホワイトタイガースは3巡目でこの選手を指名することが、すでに決まっています。
作中でも、この沖本選手が今シリーズの「ドラフト資格選手」であることは何度も明言されてますし、前回もおさらいシーンが入っています。
だから、ホワイトタイガースは柳川を指名できないので、すでに柳川を獲得する可能性がある球団はベイゴールズとブラックホークスになっています。
そしてこれが今回、柳川を獲得できないと考えてしまった4つめの伏線。
主人公・郷原眼力が柳川をドラフト4巡目で指名する意思を見せました。
伏線3で、クロマツ先生がブラックホークスが3巡目で指名する可能性を示唆したというのに、本編主人公・郷原スカウトは4巡目にしました。
んまあ、今シリーズの主役・柳川選手はクラブチーム所属の選手ですから、現実世界のプロ野球ドラフト会議でもクラブチームの選手が3巡目はおろか、4巡目でもかなりの上位指名ってのは確かで、プロ野球側から見た場合、ドラフトは1巡目、2巡目は基本、「ノンプロ社会人、大卒の即戦力」か「近い将来、チームの戦力になる高卒」、3巡目は高卒有望選手、4巡目は即戦力のノンプロ社会人か大卒か将来性の高卒って見方になるから、クラブチーム(や独立リーグ)となると5巡目でも怪しくて、ドラフト最下位指名とか育成ってのが定番なんだけど、郷原スカウトに「4巡目」にさせたことで、柳川の価値を高めようとする意図は伝わるんだけど、もうすでに、色々張ったと思われる伏線から、今後の展開を想像するに。
(その1)
実は今のプロ野球ドラフト会議は1巡目の重複以外は抽選が無いらしく、しかも2巡目以降はウェーバー方式なのですが、(作中前年の日本一がどこか知らんけど)セパの下位チームから、3巡目は上位チームからの指名になるので、その方式に従うなら、確かに「4巡目」であれば、(作中でペナント順位がホワイトタイガースより下の3位と言っていたから)ベイゴールズが100%柳川を取れるんだけど、つまり、ウェーバーで先に指名権がある3巡目でブラックホークスが柳川を指名してしまうという、まあ、これだと、この柳川シリーズは最悪の形で終焉を迎えてしまう、ということになるわけですが。
(その2)
もしかしたら、このドラフトキングの世界では現実世界の2008年以前のように3巡目でも重複抽選があるのかもしれず、この場合、3巡目にブラックホークスが柳川を指名したので、郷原スカウトが方針を変えて、3巡目で柳川を指名しようとするんだけど、そこには神木くん推しの速水捕手が残ってしまっていて、しかも、ドラフト編成会議の席で、自分が「4巡目」と言ってしまっているから、神木くんに無理も言えず、神木くんが「譲りましょうか?」と気を利かせてくれるんだけど、郷原スカウトが神木くんの気持ちを無下にできず、無念の柳川指名できず、という形で、柳川断念となる展開。
個人的に今後の展開を想像するにこの2つかなと思われまして。
連載史上最長のシリーズにしておきながら、主人公が敗れるとか、それはどうかと思うし、これだと、柳川も浮かばれない気がしてならないんですよね。
あれだけ中溝が柳川を見誤っているというのに、それでも入団させたら、また菊池原のように潰されかねないし、仮に大成したとしても、ブラックホークスはソフトバンクホークスがモデルだから結構な大枚を叩けるのでFAでも柳川をベイゴールズが獲得できるとは思えないしで、あれだけ郷原が手塩にかけて育ててきた(=長いシリーズをかけてきた)柳川を中溝なんかにさらわれるのは、作品からのファン離れを覚悟する必要があると思う。
ただでさえ、私が感じているように、中溝を「読者から嫌われ役」設定にしているというのに。
だから、クロマツテツロウ先生にはぜひ、今回私が挙げた数々の伏線をすべてぶっ壊して、是非、柳川をベイゴールズに入団させてほしいんだけど、はてさてどうなるか...